ケアビューティストとは?仕事内容は?
ケアビューティストについて、聞いたことがありますか?
「メイクをする人?」「エステティシャン?」など、美容に関する仕事をする人であると想像できるのではないでしょうか。
美容に関わる仕事であることは間違いないですが、加えて高齢者に特化している、という点が特殊だと思います。
「高齢者の美容」と言われても、ピンとこない人がほとんどだと思います。
想像してみて下さい。
元気な皆さんが年をとったとき。
今と同じように、美容院やエステ、ネイルサロンに通えるでしょうか。
身体が不自由になっているかもしれないし、もしかしたら認知症を発症しているかもしれません。
だからといって、オシャレを全くしないというのは寂しいですよね。
そんなときに活躍しているのが「ケアビューティスト」です。
サロンに通うのが難しい高齢者のために、施設や自宅を訪問して施術をします。
「ケアビューティスト」は、高齢者特有の施術方法を学んでいます。
例えば寝たきりの方の髪をカットする方法など、高齢者の身体の状況に合わせて施術をします。
また施術を受ける高齢者だけでなく、施設スタッフやご家族に負担がかからないよう配慮することも大切です。
車椅子の誘導方法、ご家族とのコミュニケーションなど、多岐に及びます。
このような仕事内容を見てみると、「なんだか大変そうだな・・・」と感じる方が多いかもしれません。
しかし「ケアビューティスト」は、大変なだけではありません。
「ケアビューティスト」の先輩からは、「お客様である高齢者は、ストレートに嬉しさを表現してくれる」という声がよく挙がります。
特に美容の仕事経験者は、施術後のお客様の笑顔によく遭遇しています。
もちろんその笑顔にやりがいは感じるけれど、高齢者はそれ以上に嬉しさを言葉や表情で表現してくれるといいます。
身体が不自由である方などは、自分の思う通りに生活できないために、プロに施術を施してもらえると一般の方以上に幸せを感じるのかもしれませんね。
それでは「ケアビューティスト」になるには、どうすればよいのでしょうか?
次で詳しくご紹介します。
ケアビューティストになるには?独学でなれる?
前述の通り、「ケアビューティスト」は高齢者に特化した美容のプロフェッショナルなので、介護などの専門知識をある程度求められます。
そのため独学でも学べますが、幅広い知識を学ぶためには、スクールに通うことをオススメします。
ケアビューティストのスクール『介護美容研究所』について
そこで「ケアビューティスト」になるためのスクール『介護美容研究所』をご紹介します。
介護美容研究所には「訪問美容コース」と「ケアビューティーコース」があります。
一つずつ、詳しくご紹介しますね。
訪問美容コース
美容師向けのため、美容師免許を持っている方向けのコースです。
コース内容は大きく3つに分かれています。
@訪問美容のテクニック
高齢者に特化したカット技術を学びます。
寝たきりの方や車椅子の方、高齢者の身体状況は一人ひとり異なります。
異なる症状にどのように対応すればよいのか、実習を通じて学ぶことができます。
またお客様は高齢者だけではありません。
施設スタッフやご家族には、どのような配慮をすればよいのか。
現場で起こりうるリスクの回避方法も含めて、総合的な対応力を身につけることができます。
A高齢者向け特有のビジネス
近年、訪問美容を導入する高齢者施設が増えてきました。
そのような施設に自身を売り込むためには、高齢者ビジネスを踏まえて営業することが求められます。
プレゼン資料はもちろんのこと、細かい点を挙げれば、請求書などの書類など準備するものは多岐に及びます。
美容師経験だけではカバーできないことをレクチャーします。
一方で「スクールで学んでも、卒業後に一人で対応できるかな・・・」と不安に思う方もいるでしょう。
そのような不安に応えるべく、介護美容研究所では卒業生の営業や経営の相談にのっているのでご安心下さい。
いつでも帰ってきて気軽に相談することができますよ。
B介護職員初任者研修
基本的な介護技術を学びます。
例えば車椅子から椅子に座りかえる「移乗」など、最低限のことを知っておくことで、高齢者や施設スタッフ、ご家族に安心を与えられます。
また介護保険制度などの知識も身につけられるので、営業などで制度を踏まえた話ができるようになります。
ケアビューティーコース
未経験の方向けのコースです。
コース内容は大きく3つに分かれています。
@トータルビューティー
特に施設で需要が高いのは、メイク・エステ・ネイル、全ての分野で施術ができる人材です。
そのため未経験者でも全ての分野を網羅的に学べるカリキュラムが組まれています。
Aビジネスに必要な企画・運営
施設やご家族に対する営業スキル、当日の運営方法までをレクチャーします。
当日は車椅子の高齢者をどのように誘導すればよいのか、施設スタッフやご家族に負担をかけないためにはどうすればよいのかなどを、講師が丁寧にお伝えします。
B現場実習
百聞は一見にしかず。
提携している高齢者施設にご協力いただき、高齢者と触れ合いながら学ぶことができます。
実際に高齢者に施術をさせていただくことで、新たな発見や疑問により、学びをより深めることができます。
2つのコースに共通していること
両コース共に、3ヶ月、6ヶ月、1年の講座を選ぶことができます。
実習が多いため、通信講座はありません。
しかし働きながらスクールに通う生徒もいますし、授業は週1回のペースとなります。
ケアビューティストの需要や将来性は?
「ケアビューティストの需要はあるのか?」「職業として成り立つのか?」と心配される方が多いのではないでしょうか。
ケアビューティストは日々需要が増しており、将来的にも更に求められる仕事であると言えます。
詳しくご説明します。
@高齢者の身体の変化
前述しましたが、歳を取ると身体が不自由になったり、認知症を患う可能性があります。
元気な皆さんは想像が難しいかもしれません。
では、今までに骨折などの怪我をしたことはありませんか?
怪我をしているといつも通りの生活を送るのにも精一杯、ましてやオシャレをする気なんて起きなかったのではないでしょうか。
さらに、皆さんにとっていつか治る怪我とは異なり、身体が不自由な高齢者にとっては、今後一生付き合っていくものになります。
行きつけのサロンがあってもわざわざ出向くのには、相当な労力が必要です。
そのため自宅や施設に訪問して施術をしてくれるケアビューティストの存在が重要となるのです。
A高齢者人口の増加
2025年には3人に1人が65歳以上になるといわれています。
高齢化には拍車がかかり、止まる気配はありません。
そのため高齢者に特化した美容の市場は、大規模であるといえるでしょう。
B高齢者に特化したサロンの少なさ
高齢者が増え続け、現在の訪問美容対象者は1810万人にも及ぶといわれていますが、それに対する事業者数は1200件ほどとのこと。
事業者の数が圧倒的に足りていません。
このように現在の高齢者美容業界では、ケアビューティストが大変求められています。
「高齢者の美容を発展させたい!」「未開拓な世界に飛び込んでみたい!」という方には、ピッタリな仕事といえるでしょう。
ケアビューティストが看護師や介護士に人気の理由
看護師や介護士など、高齢者と関わる仕事に携わっている方は、高齢者から「もうオシャレなんていいわ・・・」なんて言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
または、初めはオシャレをしていたのに、だんだん身なりに気を使わなくなっていくのを見た経験はないでしょうか。
なんだか悲しくなってしまいますよね。
ケアビューティストには、看護師や介護士出身の方が多くいるので、体験談を集めました。
訪問看護師をしています。望んで訪問看護を受ける人が少ないので、初めは拒絶されることがしばしば。しかしゆっくり時間をかけて高齢者の方と打ち解けていくと、私の訪問を楽しみにして下さる方がいます。
訪問看護師の仕事は、医療行為とは別に洗髪や爪切りなどもあります。
これらを通じて高齢者の方の笑顔を見ているうちに、美容までも担える看護師になりたいなと思うようになりました。
認知症の祖母の介護をしていました。
すごくオシャレだった祖母が、最後の頃には別人のように身なりに気を使わなくなっていくのをずっと見ていました。
しかしふとしたきっかけで『介護美容研究所』の資料や説明会を通じて、施術を受けた高齢者の方が笑顔になったのを見ました。
その笑顔がきっかけで介護美容のスキルを身に着けたいと思い、入学を決意しました。
地域医療に貢献したいという思いで、訪問看護師をしていました。
しかし実際の業務は、自分がやりたいこととはギャップがあり、悩むようになりました。
時を同じくして、祖母が亡くなりました。
お葬式に施設の方が、メイクやネイルを施されて綺麗な祖母の写真を持ってきてくれました。
そのときに自分がやりたかったことを見つけられた気がして、介護美容研究所への入学を決めました。
高齢者と常に関わり表情を見ているからこそ、高齢者の笑顔に感動を覚えるのかもしれませんね。
その他、介護美容のスキルを身につけることによる影響として、高齢者とのコミュニケーションが円滑になると考えられています。
高齢者とのコミュニケーションは難しいこともあります。
しかし美容の話や施術をきっかけに、コミュニケーションを取ることができ、より良い医療や介護に結び付けられるかもしれません。